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失敗に学ぶ ベンチャーに失敗はつき物です。だからといって、無鉄砲な創業で失敗してよいというものではありません。周到に準備し、事業の展開にどのようなリスクがあるかも見極めた上で、創業してリスク回避に失敗した場合は失敗の要因分析も比較的容易です。最初の失敗は学習の材料として貴重なものです。必要なことは失敗したとわかったときの対応と、処理にあります。対応が遅れて傷口を広げたり、処理を誤って未然に防げるはずのリソースの無駄遣いがあったり、などは失敗を致命的なものにしてしまいます。過去のブログで触れたように、悪いニュースが速く伝わる組織にしていないと対応が遅れ、経営者の耳に届くのが遅れて、正しい処理を速やかに行うことができません。「Good news is no news, No news is bad news, Bad news is good news」という経営のサイクルを実行していると悪い知らせが速く伝わり、敏速な対応が取れてよい報せに変わるのです。 日本では失敗するとリスクを冒して事業を起こしたこと自体を否定するかのような非難が起こることが多いので、起業家がリスクをとりたがらない傾向があります。リスクを恐れるのは挑戦心の欠如であるばかりか、リスク評価の手法が発達していないから に他なりません。特に大企業など既存組織では独りでリスク評価する必要がなく、組織全体で責任を取る体制なので、リスクに対する個人の感覚は鋭くなくてもよいと思ってしまいがちです。ベンチャーが既存企業に勝てるのは、リスクを冒し、それを回避して結果を出すことができる場合です。多くのベンチャー企業は回避できずに失敗の道をたどりますが、失敗から学習して、事業の方向転換なり、再出発なりで再び挑戦する、という起業家精神は投資家から高い評価が得られてよいはずです。反面、失敗の処理を誤って全てのリソースを使い果たし、破産するのは優れた経営者の選ぶ道ではありません。リソースを残し、失敗を速やかに処理して、投資家の同意を取り付けて撤退、計画の変更、事業の転換などの道を選べば、再起可能である場合が多いのです。それを可能にするのは常に投資家に情報を開示し事業報告して、投資家と良好な関係を維持しておくことしかありません。 一方失敗しないようにリスクを小さくする方法もありますが、そのような事業から得られる果実は小さく、投資家に還元されるリターンも少なくなります。それはベンチャーキャピタリストの望むところではありません。ハイリスクを冒してハイリターンを狙うためには経営者である起業家は高い倫理観をもち、十分な情報開示によって取締役会と株主との良好な関係を保つと同時に、従業員にも倫理観を共有させ、風通しのよい組織を維持しなければなりません。それが事業の拡大に役立ち、万一リスクが回避できないときにも迅速な処理ができるからです。 企業不祥事の発生は組織の中に倫理観が確立されず、臭いものには蓋をする経営風土が横行している場合が多く、このような組織では報告は不適切で、過ちの処理は不十分かつ手遅れとなっています。経営トップが自ら過ちを正す姿勢を日ごろから見せることが、組織全体の倫理観を正す唯一の道ではないでしょうか。 |
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