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<<   作成日時 : 2007/10/22 07:37   >>

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会社は誰のもの
NPO法人IAIジャパン 理事長 八幡惠介
資本主義の社会で会社は誰のもの、という質問には明快な答えが見つかりません。株主、会社経営者、従業員、組合、顧客、会社を取り巻く社会、取引先などはステークホルダーズとよばれ、これらのいずれもが会社は私のものだと主張します。これらの内どれか一つのものでないことは確かです。株主は資本を提供しているのは我々だ、との観点から、経営者は我々が経営リソースを提供している、と言い、従業員や組合は我々がいなければ会社は動かない、と主張し、顧客はものを買う人がいなくては会社は成り立たない、とまことにもっともな言い分で、取引先が供給者がいなければ物は生産できない、と言えばそれも正しい主張です。
会社ができる過程を見てみましょう。通常、事業のタネをもっているのは創業者です。創業者がよほどの資産家でなければ、外部資金を調達しなければ事業を開始できません。創業者は必ず成功するという保証もなく、時には潜在市場が顕在化するとのビジョンを持って大きなリスクを冒して創業し、事業計画を元に資金を調達します。資金はエンジェル(自ら創業し事業に成功して、大きな資産を作った個人)と機関投資家を株主として調達します。そして経営パートナーとチームを作り、組織を作って事業を始めます。事業には製造設備や、資材を供給するベンダーが必要です。製品を買ってくれる顧客を探して、求められるものを設計し、製造します。事業がうまく行って会社が成長し、株式市場に会社を公開できたら、大成功です。この過程を見てわかるように、会社の価値は創業前の段階では事業モデルを固め、事業計画を作って失敗のリスクを冒して起業する創業者が持つタネにあり、これを評価してやはり大きなリスクを冒して、資金を提供する株主を無視することはできません。会社の成長の後の段階ほどリスクは低くなります。したがって、ステークホルダーズの間に順位をつけるとすれば、当然、起業家、創業期の資金提供者、創業期に参加するパートナーと従業員、顧客、という順になるでしょう。ベンダーと企業が安定してから雇用される従業員はそれほど大きなリスクを負っていないので、順位は低くなります。このように考えれば、会社は誰のもの、という疑問の答えは見えてきます。順位はつけましたが、会社のどの段階をとってもステークホルダーズの誰が欠けても会社はうまく行かないことに気付くでしょう。誰のもの、という議論よりも会社を価値の高い企業に育てることが、全てのステークホルダーズにとって有利になることに気付くべきです。会社の価値は社会に貢献できる理念を持ち、経営者と従業員が厳格な行動規範を共有し、不正のない組織を常に維持して、社会の公器として業績を上げ、公正な利益の配分を行なうことで維持されます。利益の配分に当たって、上記の順位が意味を持ってきます。このような会社を多く創業できる社会が理想であることは明らかですが、残念ながら、企業は成長するにしたがって、組織の肥大化、内部統制の不徹底、経営者の油断などから、不祥事を起こしがちです。熱帯雨林で大きく成長した樹木が自重を支えきれなくなって倒れて朽ちていくように企業も寿命を終えて解散することは社会的に公正な仕組みではないでしょうか。樹木が倒れるのは樹間が詰まって根が伸びられない、虫や病気のために幹が腐る、などが原因です。過当競争、組織の腐敗などで企業が淘汰されるのと似ています。しかし、熱帯雨林では巨大樹木が倒れた後には空き地ができ、それまで太陽をさえぎられていたタネが一斉に芽吹いて、あたかもベンチャー企業が続々と起業してしのぎを削るように、早い者勝ちで伸びた樹が地面を占領します。これは熱帯雨林の循環です。企業もこのように淘汰され、循環することが健全な資本主義なのかもしれません。政治の世界でも、世襲の政治家が幅を利かすのではなく、新しい人材が活躍できるオープンな仕組みの方が健全な政治が期待できるのではないでしょうか。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
会社は誰のものかは会社法の究極的テーマかもしれません。
ご存知のように会社法上は株主に残余財産請求権を与え、株主の利益最大化が他のステークホルダーの利益にもなるという規律をしています。
法律上は会社は株主のもの。それが経済的に効率的だからということで。

ブログ本文中の株主の順位づけ(正確にはステークホルダーのですが)は感覚的には理解できますが、すこし疑問を呈させてください。
確かに設立段階の株主には大きなリスクがありますが、その分リターンも大きいはずです。それに対してIPO後の株主は先の株主よりリスクは小さいですが、リターンもそれなりなはずです。
あくまで一般論ですが・・・・
極端なことを言えば、IPO後に株式を大量に取得した株主の方がリスクが大きくなることはあります。株主は有限責任ですからどの段階でも出資比率に応じたリスク(出資分のリスク)を負うことに変わりありません(発起人の責任は考えないことにします)
つまり、そういう意味ではやはり同列なのではないでしょうか?
それに、株主平等の原則からも同じことがいえます。

長々と失礼しました。
しるし
2007/11/12 00:00
こんにちは。
会社は誰のものかは会社法の究極的テーマかもしれません。
ご存知のように会社法上は株主に残余財産請求権を与え、株主の利益最大化が他のステークホルダーの利益にもなるという規律をしています。
法律上は会社は株主のもの。それが経済的に効率的だからということで。

ブログ本文中の株主の順位づけ(正確にはステークホルダーのですが)は感覚的には理解できますが、すこし疑問を呈させてください。
確かに設立段階の株主には大きなリスクがありますが、その分リターンも大きいはずです。それに対してIPO後の株主は先の株主よりリスクは小さいですが、リターンもそれなりなはずです。
あくまで一般論ですが・・・・
極端なことを言えば、IPO後に株式を大量に取得した株主の方がリスクが大きくなることはあります。株主は有限責任ですからどの段階でも出資比率に応じたリスク(出資分のリスク)を負うことに変わりありません(発起人の責任は考えないことにします)
つまり、そういう意味ではやはり同列なのではないでしょうか?
それに、株主平等の原則からも同じことがいえます。

長々と失礼しました。
しるし
2007/11/12 00:01

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