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<<   作成日時 : 2007/11/15 16:31   >>

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沖縄戦と教科書検定へのコメント
NPO法人IAIジャパン 理事長 八幡惠介

以前にもコメントいただいた鈴木さんから、この度は10月29日のブログへのコメントが寄せられました。長文なので、数回に分けてご紹介しますが、論点がいくつかに分かれるので、先ずそれを整理したいと思います。
第1の論点は政府が過去の歴史を資料の公開によって明らかにするのではなく、糊塗しようとしているかどうか、
第2に軍による指令があったか否かよりも、戦前から戦中の教育で、死を美化し、お国のために命をささげることを強要したか否か、
第3に日本の武士道の死を持って償う、との考え方が今も残っていること、
第4に玉砕を善しとした戦時中の軍の考え、またそれを継承する経営
などが論点ですが、教科書問題とは主として第1と第2の論点が関連します。第3と第4の論点は教科書問題とは直接関係ありませんが、日本文化の問題であると考えます。鈴木さんからはこれら全ての論点でコメントをいただいています。
当該ブログでは軍が直接命令を下したかどうかよりも、沖縄の人たちを集団自決するような精神構造に導いたことの責任を問題にしています。鈴木さんは軍が命令した事実はなく、戦後補償の道具として使われた、との政治との関わりを論じています。本土でも決戦が軍によって煽動された形跡もありますが、天皇の決断によって本土決戦になることはありませんでした。これも国民の精神構造を最後の一人まで戦うという玉砕精神を説いたものに他なりません。おそらくこのような煽動は世界に例がないでしょう。イスラムの教えがこれに近いところはありますが、これは宗教上の教えであり、イスラム教を信じるものがみずから死んで、死後の幸いを得るという個人の信仰上の問題であり、国家のためではありません。
沖縄戦の記録がどのくらい残っているかは知る由もありませんが、まったく残っていないということは信じがたいことです。当時の生き証人からの証言を残すことも歴史上大切なことでしょう。それは戦争末期から戦後の満州の状況が歴史から消えようとしていることと共通点があります。政府に歴史を抹殺する意思がないとしても、教科書にはその記述はほとんどなく、当時の経験者による証言以外には事実を後の世代に伝えることは出来ません。当時から60年以上を経た現在、経験者は高齢化し、証言を得ることが不可能になることは確実です。悲惨な歴史を繰り返さないためにも、歴史にはっきりと残すことは国家としての義務ではないでしょうか。
沖縄戦の史実が残念なことに戦後補償という利害と結びついていびつな形になっていることは否めません。それと史実を後年に伝えることとは、まったく別次元の話ではないでしょうか。沖縄の人たちの中にも、補償問題とは別に史実を正確に伝えたいと思っている人が必ずおられると信じます。同時に文科省は補償問題とは関係なく、史実を明らかにする努力をするべきです。

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