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<<   作成日時 : 2008/02/25 09:30   >>

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起業に必要なDNA
NPO法人IAIジャパン 理事長 八幡惠介
ベンチャービジネス、または一般の創業、いずれの場合であっても、会社を興す前に最低限考え、準備し、覚悟を決めてかかる必要があります。それをDNAと呼びましょう。起業するために必要なDNAとは、何のために会社を興すのか、会社を興して何をするのか、成功したら何をしたいのか、などの理念と何のために会社を興すのかという目的を明確にし、いっしょに会社を経営し繁栄させる仲間に、それを共有してもらえるリーダーシップのこと、とも言えるでしょう。経営を透明にし、すべてのステークホルダーズに対して情報を開示し、顧客満足のために営業の先頭にたつ、といった率先垂範のDNAも必要です。
逆に不要なDNAもあります。すなわち、人任せ、組織頼みの経営、独り善がり、思い込みの経営、社会や業界の動向に鈍感で、変化についていけないDNAなどはベンチャー経営の邪魔になるでしょう。情報源を既存のチャンネルとメディアのような、誰もが入手できるところにしか持たない経営者は革新的な経営はできません。耳の痛い情報を持ってくる部下を叱りつける、処置が済んでから報告させる、などイエスマン優遇の経営もよくないDNAのなせるわざといえます。
アプライドマテリアルズの元会長であるジムモーガンの口癖は“Good New is No News, No News is Bad News, Bad News is Good News”というものでした。その意味はいい情報だけ持ってくるのは役に立たない、何も報告しないのは悪い兆候、悪い情報はよい知らせ(改善の元)”です。イエスマンの部下をそろえる経営者は裸の王様となって、放漫経営に走ってしまいます。
傾向としては、起業するのに不要なDNAが大企業にいると、身に染み付いてしまうようです。アメリカの半導体メーカーの老舗であるフェアチャイルドセミコンダクタという会社からは数え切れない起業家が出ています。アメリカに現存する半導体メーカーの大半は元フェアチャイルド出身か、あるいはその流れを汲んでいるといっても過言ではありません。同社はトランジスタを発明してノーベル賞を受けた3人の学者の一人であるショックレー博士が設立したショックレーラボを飛び出したロバート・ノイス他の創業者が1950年代初頭に、フェアチャイルド・カメラ&インスツルメンツ社の1部門として起業した半導体専業のベンチャーです。フェアチャイルド社のDNAを受け継いだ起業家が独立して起業した会社はさらに起業家を輩出する傾向があり、フェアチャイルド社をシュルンベルジェに売却して、後にLSIロジックを起業したウィルフレッド・コリガン氏にはそのDNAが明らかに受け継がれていました。ノイスと仕事をした多くの仲間は独立して起業し、成功した人も多くいます。ノイスが起業したインテルの競争相手であるAMDの創業者サンダース氏、ナショナルセミコンダクタ社を起業したチャーリー・スポーク氏らもその仲間です。
このようなDNAはいかにして受け継がれるのでしょうか。コリガン氏とともに過ごした10年間にそのような場面がいくつかあったように思います。しばしば開かれる従業員集会で、彼は祖国を飛び出してアメリカへやって来た頃の苦労話、若くしてモトローラせみコンダクタのマネジャーに抜擢された頃の話、LSIロジックを創業した当時のベンチャー特有の苦労話などを語りました。それらの話は彼の起業家精神を物語るものであり、日頃の経営方針を余すところなく示していました。LSIロジックからも多くの起業家が輩出され、中には成功者も多くいます。それらの同僚と語り合ったことはこのブログシリーズにも反映されています。

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