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撤退の意義 NPO法人IAIジャパン 理事長 八幡惠介 最近事業を切り離して売却する例、競合に敗れて事業から撤退する例、倒産する中小企業が多く報道されます。それぞれ事業の進退を決定する重大な局面での判断と思われますが、中小企業の倒産の中にはベンチャーが資金繰りに行き詰って、選択の余地なく倒産する例も、多く含まれていると思われます。 事業売却はアメリカでは日常茶飯事であり、ジェネラル・エレクトリックのウェルチ会長が取った経営手法として、日本では大きな議論を呼びました。事業は商品か、という議論は最近あまり聞かれず、日本企業自身がとり始めた戦略として定着して来た感さえあります。投資家からは歓迎される場合が多いことは事実です。ベンチャービジネスでは企業売却は重要な出口の一つで、投下資本より大きい価値で売却できた場合は、事業に成功したといえます。 つい最近の例で世界の目を引いた、東芝のHD-DVD方式の次世代ビデオディスクからの撤退は、ふた昔のVHS対ベータマックスの再来か、と心配されたブルーレイ方式との競争にピリオドを打ち、消費者の選択を容易にする意味で大きな意義を認めます。名誉ある撤退と呼べるかどうかは見方によるでしょうが、勇気ある決定には違いありません。 大企業にとっては複数ある事業の選択ですから、その影響が大きいとはいえ、売却や撤退が企業の価値をむしろ上昇させる効果があり、事実東芝の株価はこの決定後上がりました。 一方ベンチャービジネスの事業からの撤退は、企業の死を意味するので、その決定は容易に下せず、多くの場合結果として自然死となります。以前にも撤退の決定が投資家に、いくばくかのリターンを残す道として、有効であることを述べました(企業のM&Aー会社の存続か、経営陣の安泰かー2007年8月10日)。そのような決定は経営者にとっては大きな苦痛であり、簡単に下せるものではありません。多くの場合社外取締役を含む役員会での決定となります。 以前社外取締役をしていたアメリカのベンチャー企業で、このような場面に遭遇しました。社長は辣腕経営者で、開発資金をベンチャーキャピタルからだけでなく、事業パートナーからも引き出し、製品開発ではいいところまで行ったのですが、市場の立ち上がりが予定より大幅に遅れたため、売り上げによる資金回収ができずに、資金不足となってしまいました。既存株主はこれ以上の資金提供を拒み、事業売却を提案します。役員会の決定は売却を支持し、外部コンサルタントに依頼して、最も高い時価総額を提案する同業を探索しました。結果として投下資本の3割強での売却となり、投資としては失敗に思われました。 アメリカのベンチャーキャピタルのしたたかさを見せ付けられたのはその後です。 彼らは売却先の企業の株価が下がったのを見て、すかさず買いを入れ、回収資金全額を投入したらしいのです。金融の世界では常識なのかもしれませんが、当時素人の私は瞠目しました。結果としては開発結果が実を結び、市場が顕在化した結果、株価がうなぎのぼりとなり、当初の投資額を上回るリターンを手にした投資家がいました。これは撤退としては大成功の事例で、ベンチャーの撤退がいつもこのようなハッピーエンディングとなるわけではありません。しかし、もしも社長が独自開発の継続を主張して資金を使い果たしていたら、この会社は倒産していたと思われます。ベンチャーキャピタルの社外取締役がいてこそ、撤退の選択肢が生きた例と思われます。 現在急増している中小企業の倒産のどれほどに、このような撤退の機会があったかは、想像さえできませんが、再生の余裕を持って撤退を決定することは、経営者の重要な判断の一つであることを主張したいと思います。 |
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Culinary school.
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Culinary school. 2008/07/11 07:46 |
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