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沖縄戦と教科書検定 NPO法人IAIジャパン 理事長 八幡惠介 教科書検定における問題は過去にも多くありますが、最近沖縄戦での集団自決が自主的なもの(心理的に追い込まれた?)か、あるいは軍に命じられた(歴史的に認められている?)か、という問題が発生しました。文科省は「軍が指示して自決に追い込まれた」との表現から「軍が指示して」を削除する検定意見をつけたとされています。しかし、追い込まれたのは追い込んだ主体があるからで、それを曖昧にする日本語の特徴を悪用したものです。戦時中の政府は戦局の悪化に伴って、軍のあせりの理由からか、徐々に軍事政権の様相を帯びたと思われます。それでも国家としては継続しているとの立場からでしょうか、政府が戦時中の悪事を隠蔽しようとしていることは明らかです。沖縄の集団自決が直接軍の命令で行なわれたものでなかったとしても、そのような心理を刷り込んだ宣伝教育の結果ですから、政府の責任は同等だと思われます。戦陣訓にある「生きて虜囚の辱めを受けず」が自決を意味し、玉砕の覚悟を決めた時、本来敵を殺戮する目的の手榴弾を各自一個ずつ持たされ、とらわれる前に安全ピンを抜いて、自爆することが大和魂、とされた時代、軍の管轄下にあった沖縄で、特に女性に対して思想として吹き込まれていたことは容易に想像できます。 沖縄は一つの行政単位であり、選挙においても影響力があります。また、琉球王朝の時代からの民族の誇りも残っています。「しまんちゅう」と「やまとんちゅう」と、本土と島を分け隔てる言葉が残っていることからもそれは明らかです。県民の主張を公にできる力があることも明らかです。一方、満州に戦前戦中送り込まれた開拓民と、大連に居留した人たちの戦争末期から引き揚げまでの悲惨な歴史は、集団としての圧力がなく、記録からも抹殺されようとしています。沖縄と満州に関する国の責任が問われないまま、その歴史が消えてよいものでしょうか。沖縄を日本の領土と決めた以上、遡って戦時中の大量殺戮が誰の責任で起ったのかを明確にすることは、民族の責任です。また、満州でなぜ守られるべき開拓民と一般人よりも先に、守る立場の軍が逃亡したのでしょうか。その事実は調査されないまま、当事者が高齢のため記憶が消滅しようとしています。沖縄で軍の上層部の生き残りの一人が、軍がそのような命令を下したことはない、との証言を行なったことを根拠に、「軍が命じた」との表現を削除するなら、2006年8月に放送されたNHKの一連の番組「取り残された民衆〜敗戦の満州・悲劇の逃避行」(2006年9月13日ブログ関連)(http://www.jicl.jp/now/cinema/backnumber/20060807_02.html)の中で元兵隊が証言している内容も同じ重みを持つはずです。 もしも、国家が歴史の一部を行政の責任逃れから、抹殺するなら、国家を形成する国民が、自発的にこれを残す努力をするしかありません。上記のNHKの番組も2時間の詳細版と50分の短縮版があり、短縮版が繰り返し再放送されたのに、詳細版は一回しか放送されていません。しかも、最も広く視聴されるアナログ、地上デジタルでは放送されず、BSのみでした。これは広く国民が視聴することを制限する圧力があったと、勘繰りたくなるやり方です。もしも、NHKが自主的にそのように番組を組んだとしたら、それはNHKが御用放送と思われても仕方ないでしょう。報道の自由を持たないメディアは意味を成しません。 富の偏在があるとの批判はあっても豊かな日本で、戦時中の苦しい思い出を忘れ去りたいとの意見と、その歴史こそ次の世代に残すべき歴史遺産、との意見が両立することは当然としても、歴史を軽んじる民族は世界の尊敬を集められるでしょうか。戦後67年、戦時中の記憶はまさに風前の灯です。お年寄りから聞き取りをしてでも記憶を残す努力が必要です。そして、戦時中の政府からの命令がどのようなものであったかを、法廷で明らかにする必要もあるのではないでしょうか。 |
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Fulltiltpoker. 2008/07/23 02:25 |
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